医療機器分野の市場深耕 ホクシンエレクトロニクス社長・佐藤宗樹氏に聞く

(2024/5/1 12:00)

  • ホクシンエレクトロニクス社長 佐藤宗樹氏

通信機器のアンテナやスイッチなど電気電子部品の製造で1991年に創業したホクシンエレクトロニクス(秋田市、佐藤宗樹社長)。現在は秋田市牛島地区に本社工場など三つの生産拠点を持つ。近年は医療分野向け機器へのユニット供給も手がける。秋田県産業技術センターには開発室を設け、自社開発力を磨いている。医療機器分野の市場深耕に力を入れる佐藤社長に展開を聞いた。

―創業から30年以上が経過しました。モノづくりの転換点は。

「リーマン・ショックの時には大きな打撃を受けた。その当時は携帯電話など通信分野のウエートが大きかった。受注先が特定の分野に集中していたことからバランスを強く考える契機にもなった。新規に医療機器分野へのアプローチを進めていた時期でもあり、アクセルを一段と踏み込むことになった」

―医療機器分野の開発について、どのように進めましたか。

「きっかけとして動物の人工呼吸器の案件があった。呼吸を測定するところから始まった。測定する際に用いたのが超音波式。空気の流量を測定する機構をユニット化し、これを『ホクシンブランド』と位置付けて、取引先の医療機器メーカーなどに供給していく開発に軸足を置いた」

―最近では水素の測定に着目しています。これはどんな用途があるのですか。

「近年、医療現場では水素を加えた酸素投与などで、治療向上につなげる取り組みがある。水素濃度をリアルタイムで測定するニーズがあり、必要とする量を知ることで制御に役立つ。現在、試作機の評価に取り組んでいるところ。試作機の水素濃度の測定精度はプラスマイナス0・1%以下を確認した。これまでは肺機能を測定する機器向けに酸素濃度測定ユニットなどを提供しており、蓄積してきた技術を水素濃度測定に応用している」

―開発室は公設試験研究機関に設けています。

「秋田県産業技術センターには各分野の専門家がおり、幅広い知見が得られる。高度な解析や評価など身近に受けられる環境にある。公設試のサポートは大きい。今後はホクシンブランドのラインアップを一段と広げ、社内のモチベーションも引き上げていきたい」

(2024/5/1 12:00)

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

誰も教えてくれない製造業DX成功の秘訣

誰も教えてくれない製造業DX成功の秘訣

電験三種 合格への厳選100問 第3版

電験三種 合格への厳選100問 第3版

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

専門誌・海外ニュースヘッドライン

専門誌

↓もっと見る

海外ニュース

↓もっと見る

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン