シャープ、堺工場停止 業績不振で液晶事業を再編

(2024/5/14 17:00)

シャープは14日、テレビ向けの大型液晶パネルを生産する子会社の堺ディスプレイプロダクト(SDP、堺市堺区)の工場を、9月末までに操業停止すると発表した。同事業は業績不振が続いており、2024年3月期連結決算は2期連続の当期赤字になった。今後は有機EL事業の終息なども含む事業改革によって“止血”を図り、早期の立て直しを目指す。

24年1―3月期決算に減損損失1179億円を計上する。SDPの生産設備や技術資産を他社に供与するほか、建屋などを活用して事業転換を進める。一方、亀山工場(三重県亀山市)や三重工場(同多気町)、白山工場(石川県白山市)などで手がける中小型液晶パネル事業は生産能力や人員を減らし、固定費の削減を進める。

また事業構造改革費用として108億円を計上。有機EL事業の終息や、アジアでのテレビ事業での人員削減なども進める。

SDPは世界初の第10世代液晶パネル工場として09年に設立。巨額投資が裏目に出てシャープの経営危機を招いた。12年に台湾・鴻海精密工業グループからの出資を受け入れ、SDPを連結対象から外したが、22年にシャープが買い戻し完全子会社となっていた。

14日発表した24年3月期連結決算は、液晶事業の減損損失計上により、当期損益が1499億円の赤字となった(23年3月期は2608億円の赤字)。25年3月期予想は当期損益で50億円の黒字転換を見込む。

(2024/5/14 17:00)

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