[ 政治・経済 ]
(2016/7/13 05:00)
文部科学省は科学研究費助成事業(科研費)改革の要となる「挑戦的研究」で、1件2000万円の大型種目を2017年度に新設する。新テーマ開拓や探索研究を対象とする現行制度の種目「挑戦的萌芽研究」に比べ1件当たり4倍の予算をつけ、ブレークスルーを生み出す独創的な研究を強力に後押しする。次世代のイノベーションの芽を生み出す新領域を開拓し、日本の科学技術力のレベルアップを図る。
科研費改革の一環として17年度から、挑戦的萌芽研究を「挑戦的研究(開拓)」と「挑戦的研究(萌芽)」の2本立てとする。「開拓」は1件当たり2000万円、「萌芽」は従来通り同500万円を助成する。9月に公募を始める。
「開拓」は専門が異なる審査委員が議論を戦わせ、学術体系を転換しうる質の高い案件を選び出す。新規採択率は科研費全体の目標30%に比べてかなり低くなる。一方で採択案件の「応募額に対する配分額(充足率)」は、これまでの約60%を100%に引き上げ、本格的な挑戦を可能とする。
文科省は科研費の中に、イノベーションの裾野を広げる研究を支援するため挑戦的萌芽研究を設定している。15年度実績で採択件数は約4000件、総額約140億円だった。ただ、イノベーションを起こす技術を生み出すには助成額が足りないという課題があった。
科研費はノーベル賞につながるような学術・基礎研究の基盤となる。創設から50年超が経過し、新分野増による縦割りの弊害をなくすなどの狙いで、15年度から改革を始めた。目的別の支援見直し、細分化した研究分野の統合、審査方式の変更などを進め、18年度に新制度へ完全移行する。
挑戦的研究は国際的にも重視されている。米国国立科学財団は事例として大規模ハイパーテキスト解析、アモルファス金属などを挙げている。
(2016/7/13 05:00)
関連リンク
政治・経済のニュース一覧
- 米朝首脳会談、非核化へ共同声明に署名 リスク緩和も霧晴れず(18/06/13)
- 米朝首脳会談/経済界、平和への第一歩歓迎(18/06/13)
- 軽減税制 準備ノススメ(上)対応遅れ、取引に影響も(18/06/13)
- 【電子版】トランプ氏、G7写真に言及「私とメルケル首相は声明案を待っていた」 (18/06/13)
- 【電子版】マレーシア首相、高速鉄道計画は「ある意味延期」 将来の整備に含みか?(18/06/13)
- 【電子版】トランプチーム、金正恩氏のために動画制作 会談中に2人で鑑賞(動画)(18/06/13)
- マレーシア首相、日本の投資期待 経済界首脳と懇談(18/06/13)
- 政府、知財戦略ビジョン策定 「価値デザイン社会」実現へ次世代システム構築(18/06/13)
- 4―6月の法人景気予測、1年ぶりマイナス 財務省と内閣府(18/06/13)
- BCP策定広がる 大企業8割・中堅5割 防災白書(18/06/13)
- 独政府、インダストリー4.0でセミ開催 両国中小の連携呼びかけ(18/06/13)
- 三菱マテ引責「対応遅い」 同友会代表幹事(18/06/13)
- G7サミット、経産相が評価(18/06/13)
- 原子力発電方式、多様な選択肢を 原子力委(18/06/13)
- 外国人実習の対象職種拡大を JAPIC、林業再生で提言(18/06/13)
- 大学4年生の内定65.7% ディスコ調べ(18/06/13)
- きょうの動き(18/06/13)