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[ 科学技術・大学 ]
(2016/9/28 05:00)
東京大学大気海洋研究所の佐野有司教授らは、音響探査によって鹿児島県のトカラ列島近海の火山活動を発見した。地熱で温められた水が噴出する海底の割れ目「熱水噴出孔」の位置を特定し、採水器を投下することで熱水を採取した。これまでトカラ列島近海では海底火山活動の存在が指摘されていたが、熱水噴出孔の詳細については知見がなかった。
研究グループは、学術研究船「新青丸」を使い、トカラ列島と鹿児島湾を調査した。船から海底に発射した超音波の反射波を受けることで、海底面や海水の密度変化を探知し視覚化する「ウォーターカラム画像」を採用。熱水噴出孔が放出するヘリウムとメタンは、地殻構造や熱水周辺の微生物活動の影響により放出量や起源がトカラ列島と鹿児島湾で違うことを明らかにした。
トカラ列島近海などでは、熱水噴出孔が熱流体を放出することで、海上の船舶に被害を与える影響がある。浅海火山調査の定期観測へ活用することで、船舶などへの被害を軽減できる可能性がある。台湾大学、九州大学、熊本大学、名古屋大学との共同研究。成果は27日、英電子版科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。
(2016/9/28 05:00)
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