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[ 化学・金属・繊維 ]
(2017/6/20 05:00)
東レは19日、人工衛星の打ち上げ用ロケットで主要部品を手がけるイタリアのアヴィオ(ローマ)に、炭素繊維「トレカ」を最長で2027年まで供給する契約を結んだと発表した。すでに高強度の炭素繊維を供給しているが、欧アリアンスペースが打ち上げ・運用する「アリアン6」や「ヴェガC」など開発中の次世代ロケットへの供給も担うことになる。供給量は非公表。
東レは仏子会社の東レカーボンファイバーズヨーロッパを通じ、アヴィオに高強度炭素繊維を供給している。同社はアリアンスペースの小型ロケット・ヴェガや大型ロケット・アリアン5で主要部品を生産し、ヴェガ初号機のモーターケースに東レの炭素繊維が採用された実績がある。次世代ロケットでも、モーターケース向け炭素繊維を供給する。
足元では放送や地球観測、防災など人工衛星の用途拡大を追い風に、打ち上げ用ロケットの需要も増加。同時に打ち上げコストの削減や高性能化の要求も高まり、高機能炭素繊維など複合材の採用も伸びる傾向にある。
(2017/6/20 05:00)