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[ エレクトロニクス ]
(2017/10/6 05:00)
東芝の半導体メモリー子会社「東芝メモリ」を買収する「日米韓連合」を主導する米ファンド・ベインキャピタルは5日、都内で記者会見を開いた。同社日本代表の杉本勇次氏は、東芝メモリの経営戦略について「(業界トップの)韓国サムスン電子とどう戦っていくかが最大の課題」と指摘。今後、数年間にわたり数千億円規模の投資を支援していく考えを示し、「3年後をめどに上場させたい」と語った。
日米韓連合は9月28日、2兆円で東芝メモリを買収する契約を東芝と結んだ。杉本代表は5日の会見で「東芝メモリの現経営陣を存続させ、日本企業としての独立経営を支援したい」と基本方針を説明した。
東芝メモリが手がけるNAND型フラッシュメモリーは従来のスマートフォン向けに加え、データセンター向け需要も拡大する見通し。業界トップのサムスンが、2位の東芝メモリ以下を突き放しにかかっている状態だ。
巻き返しには先端の3D構造NANDメモリーの展開がカギで、杉本代表は「積極的な研究開発・設備投資を支援したい」と語った。
日米韓連合は特別目的会社を通じて東芝メモリを買収する。当初から議決権を握る東芝とHOYA、ベインのほか韓国SKハイニックス、米アップルなど米企業4社も融資などで資金拠出する。サムスンに対抗するため、これらパートナー企業の支援も仰ぐ。
アップルについて杉本代表は「最重要パートナーであり、安定的な供給先確保につながる。今後もしっかりお付き合いする」と語り、HOYAについては「製品開発で支援してもらえる部分があればお願いしたい」と話した。
SKハイニックスとの関係は簡単ではない。同社はNANDメモリーのほかに東芝メモリが持っていない半導体メモリー「DRAM」も展開しており、「どの分野で協業を広げるか事業部レベルで突っ込んで話したい」(杉本代表)という。一方、業界では「ゆくゆくはSKは東芝メモリの経営権を握ろうとしているのではないか」(関係者)との指摘もあがる。
売却手続きそのものが、滞ってしまうリスクも見逃せない。東芝とメモリー事業で提携する米ウエスタンデジタル(WD)が、東芝メモリ売却に反対し、国際仲裁裁判所に売却差し止めを申し立てているからだ。杉本代表は「対話を進めて和解したい。今後も協業を通じて共に成長を目指したい」と述べた。
(2017/10/6 05:00)
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