[ 政治・経済 ]
(2017/10/19 05:00)
米司法省が神戸製鋼所の製品データ改ざん問題の調査に乗り出した。悪質と判断すれば本格的な捜査に踏み切るとみられ、罰金などの制裁を受ける可能性がある。一方、納品先の米国企業から、契約不履行を理由に損害賠償を請求される懸念もあり、これらの動き次第では大きな代償を支払うことになる。
神鋼によると米司法省は不正があった製品の種類や納品先、数量などを示す書類の提出を求めている。連邦法の詐欺罪適用も視野に入れて調査を進めるとみられ、有罪と認められれば巨額の罰金を科される可能性がある。
米国では神鋼からアルミニウム製品や鋼材を仕入れているゼネラル・モーターズやボーイングなどが、安全性に関する調査を進めており、これらの顧客企業による損害賠償請求も想定される。米国には不法行為や違法行為に対する損害賠償請求訴訟で、裁判所が制裁目的の賠償金を加算して支払いを命じる「懲罰的損害賠償制度」があり、これが適用されれば賠償金が数倍に膨らむ可能性がある。
納入先が無料の回収・修理(リコール)に踏み切った場合にも補償を迫られる事態が予想され、これらのリスクが顕在化すれば、今後の業績への影響は避けられない。
(2017/10/19 05:00)