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[ 科学技術・大学 ]
(2017/11/8 05:00)
【名古屋】名古屋大学ナショナルコンポジットセンターは、熱可塑性の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の成形技術の実用化を促進する。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などと共同で自動車用シャシーのプレス成形技術を確立しており、展示会に積極的に出展してアピールする。航空機など自動車以外での実用化を模索する。
名大ナショナルコンポジットセンターなどは、炭素繊維とナイロンとの組み合わせや加工条件の整備により、面積2平方メートルの広さの熱可塑性のCFRPを1回で成形する技術を確立している。融着で接合できる熱可塑性樹脂の利点も生かしてシャシーを製作した。成形時間は熱硬化性樹脂の6分の1、重量はアルミニウムより10%減った。自動車での実用化はまず座席やトランクの床材など深絞り成形品を見込む。
航空機への応用については専門家や航空機関連の技術者などから意見を聞く委員会を設けて検討している。翼など航空機本体への採用は強度不足で難しいが、客席周辺の部材や荷物棚などは可能性があるとして今後実証実験などを行う考え。
展示会への出展は10月の千葉での国際プラスチックフェアに続き、11月の名古屋での次世代ものづくり基盤技術産業展・テックビズと東京での先端材料技術展、2018年1月の東京でのオートモーティブワールドに出展する。さらに18年3月にはフランス・パリでの複合材料の展示会JECワールドにも出品する予定。
国のプロジェクトでの開発のため、海外勢との共同開発はしない方針。ただ技術の受け皿として、国内で生産が始まった後に技術移転などでの普及を検討する。
(2017/11/8 05:00)
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