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[ 科学技術・大学 ]
(2017/11/20 05:00)
(左に振っているときは波動制御がオン、右に振っているときは波動制御はオフになっている、波動制御が働いているときは先端が振動していない)
慶応義塾大学理工学部システムデザイン工学科の桂誠一郎准教授らは、ロボットなどの関節を動かしたときに生じてしまう「微小振動」を打ち消すことのできる制御理論を構築した。振動を波の伝達として数式化し、これに合わせてモーターなどの駆動力を微調整する。駆動点が複数ある場合の振動も打ち消せる。ロボットの精密制御や製造ラインの計量器の振動除去などに提案していく。
モーターで棒を振ると棒がしなり、棒を止めた瞬間に振動する。棒の材質や重さ、長さによって振動の周波数が変わっており、振動には複数の共振周波数が存在する。この共振がロボットのセンサーノイズや位置決めを難しくしていた。
そこで共振を波動方程式として数式化した。始動時に波が棒に入射し、棒の先端で反射して、入射波と反射波の位相がそろうと共振が発生する。入射波と反射波の時間差を調整することで、位相を反転させて共振を打ち消した。
この制御理論を基に、複数の駆動点をもつアームの共振や、アームの先端に力がかかる場合の共振も打ち消せるように発展させた。モーターの制御周期などに限界もあるが、理論上はすべての共振を打ち消せるという。
ロボットアームに応用すれば、先端の振動が収まるまで待つ必要がなくなる。センサーを搭載しても振動によるノイズを防げる。製造ラインでは1個当たりにかかる時間を短くでき、生産性の向上が期待できる。
詳細は12月15日に東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開く慶応科学技術展(日刊工業新聞社後援)で紹介する。
(2017/11/20 05:00)
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