ただ相場上伸材料にはならず、流通筋は「現行価格維持が精いっぱい」と緩慢な引き合いに頭を抱えている。

ニューヨーク金先物相場は上伸。

電炉にとって電力費の価格上伸が22年春以降の原料値下がり分に達した状況。

当面、市況は原料需給の緩和に上伸力を欠く展開が続きそうだ。 ... 国内市場は一時的にアジア各国など春節前の在庫確保に活気が戻り、輸出対応の湾岸価格中心...

大阪地区のH形鋼相場は上伸材料に乏しく弱含み横ばいに推移。

さらに販価指標となる一般形鋼市況の上値も重く、当面は連動して上伸力を欠く展開が続きそうだ。

当面は荷動きが鈍る年末に向け「上伸力を欠く展開」(流通筋)が続きそうだ。

「今後、来春までの鋼材手配の動きが本格化すると期待されるが、人手不足による施工などの遅れもあり、足元の市況は上伸力に欠ける」(同)。

ただ2年間上伸基調にあった主原料の鉄スクラップ市況が5月以降は軟化。

ただ、関東地区のH形鋼流通業者は「価格の高い品が入荷しているが、引き合いが相場を引き上げるレベルにまで強くはなく、現時点ではこれ以上の上伸力がない」と話す。その上で「メーカーが値上げを表明しないと、上...

今後、流通業者への入荷が進んでいくことで市況価格への転嫁も予想され、市況がさらなる上伸を迎える可能性も高い。

残り同1万円の転嫁については「原料軟化で顧客の抵抗は必至」(流通筋)と上伸基調に不透明感が広がっている。

海外は欧州の減速感などで「市況が上伸力に欠けそう」。

活発化する対アジア圏との輸出商談に湾岸価格が先行して上伸。

ただ上値上伸には不透明な原料相場や低調な需要環境といった抵抗要因が山積。

一方、主原料の鉄スクラップ市況に底打ち感が台頭、高止まりするエネルギーや諸資材価格とともに生産コストは上伸基調にある。

鋼板品種では、薄板が主力需要先である自動車の生産が遅れているため、市況の上伸力は乏しい。

価格競争力を得た供給各国が低価格製品を販売する状況は、先行き原料相場上伸の足かせになりそうだ。

米中関係悪化に対する警戒が和らぎ、為替相場の円高が一服する中、決算を材料にした売買が盛んとなり、主力株の上伸が株価指数を押し上げた。

今後は「形鋼との価格差を同5000円程度上乗せする必用がある」(同)と相場上伸基調の中、市場への理解を求めていく考えだ。