[ その他 ]
(2015/12/4 05:00)
6日に仙台市営地下鉄東西線が開業する。南北線に続く二つ目の路線。東日本大震災によって工事中断を余儀なくされたが、事業認可の取得から12年2カ月の時を経て、ようやく走りだす▼13駅・約14キロメートルを約26分でつなぎ、沿線にはいくつもの大学のキャンパスや観光・文化施設、工業団地が並ぶ。これまでの車やバスでの移動に比べて市民の足はぐっと軽やかになる。ビジネスマンや観光客の利便性も高まる▼交通網の充実は歓迎だが、利用者として気になっていることがある。JR仙台駅西口には地下鉄駅のほか市営と民営の路線バス乗り場が集中する。目的地に向かうのに、どの路線が一番いいのか分かりづらい▼住民でもそう感じることがあるぐらいだから、県外からの来訪者や外国人にとっては不親切だろう。市は外国人観光客の誘客や国際会議の誘致に力を入れているが、このままでは心もとない▼2016年5月に先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議を開催することが決まった。今後も『選ばれる都市』であるためには分かりやすく、かつ多言語に対応した案内表示の整備や、路線バスの運転マナー向上は不可欠だ。地下鉄の新線開通を「本質的なおもてなし」を見つめ直す機会にしたい。
(2015/12/4 05:00)