[ 科学技術・大学 ]

早大、ミラーが全体の80%占めるMEMSスキャナー 3Dデバイス小型化に貢献

(2017/6/8 05:00)

  • 試作したMEMSスキャナー(早大提供)

早稲田大学理工学術院基幹理工学部の岩瀬英治准教授らの研究チームは、約1・5ミリメートル四方のミラーが全体面積の約80%を占める新型の微小電気機械システム(MEMS)スキャナー(走査装置)を開発した。ミラー面積を従来と同等にした場合、MEMSスキャナーのサイズを4分の1程度に小さくできる可能性がある。現在は2次元画像のみを映し出す内視鏡やヘッド・マウント・ディスプレー(HMD)の3次元画像の表示や小型化につながる。

岩瀬准教授らは、光の走査に使う可動ミラー部を支える支持梁(はり)の形状を工夫してT字型に作り込み、ミラー駆動に必要な複数の共振周波数を分離させた。

これにより、一対の支持梁で単一の駆動部ながら、3自由度光走査できるようになった。従来は梁部が多重構造になっており、梁の面積が大きく、ミラー部は10―20%にとどまっていた。

ミラーの面積を相対的に大きくすれば、スキャナーを小さく作り込めるため、スキャナーを搭載する内視鏡やHMDをより小型化できる。

一般に3方向に動かすためには駆動部が三つ必要だが、単一駆動部で3自由度駆動させることにより、内視鏡などのほか、網膜投影ディスプレーといった用途でも3次元画像表示が見込める。

MEMSスキャナーは近年、手のひらサイズの小型プロジェクターや、HMDなどに使われている。3次元画像の表示には、現在の2自由度から3自由度に拡張する必要があるが、従来は梁部の構造が複雑で大型化してしまう課題があった。

(2017/6/8 05:00)

関連リンク

科学技術・大学のニュース一覧

おすすめコンテンツ

電験三種 合格への厳選100問 第3版

電験三種 合格への厳選100問 第3版

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

シッカリ学べる!3DAモデルを使った「機械製図」の指示・活用方法

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

技術士第一次試験「建設部門」受験必修キーワード700 第9版

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン