[ オピニオン ]

産業春秋/ノーベル経済学賞

(2017/10/2 05:00)

きょうからノーベル賞の発表が始まる。日本人の受賞者は米国籍2人を含めてこれまで25人。今年は4年連続の受賞に期待がかかる。

まだ日本人の名が呼ばれたことがないのが経済学賞である。120年近いノーベル賞の歴史では後発で、スウェーデン国立銀行の設立300周年を記念して1969年に始まった。歴代の78人の受賞者のうち米国籍は50人を超え、現代経済学が著しく米国に片寄っている状況を物語る。

過去には、宇沢弘文氏や青木昌彦氏(ともに故人)らが有力視された。近年は米プリンストン大学の清滝信宏教授の呼び声が高い。いずれも米国で学究生活を送った学者だ。英語の論文を米国の学会で認められなければスタートラインにも立てない。

英語がベースで米国優位という環境は、自然科学も同じ。違うのは研究者の姿勢だろう。海外の学会に頻繁に出張し、日本語以外の論文を書く経済学者が、果たしてどれだけいるか。

社会科学は自然科学とは違うし、ノーベル賞がすべてではない。それでも受賞者ゼロは経済大国としてお寒い限りだ。長期留学支援や国際研究拠点の整備などの公的支援もほしい。日本経済のがんであるデフレの退治策を見つければ、栄誉がグッと近づく。

(2017/10/2 05:00)

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