[ 人物 ]
(2018/9/3 05:00)
創薬研究、社内で連携
「1人でできる業務は限られる」。Meiji Seika ファルマ(東京都中央区)の小関理恵子さん(31)は、免疫炎症領域の創薬研究に携わる。既にテーマリーダーを務めているが、創薬には多様な専門性が必要。「周りの方に助けていただけるよう、自ら発信をしないと」と社内の連携を心がける。
相手を知り議論深める
高校生のとき、DNAからたんぱく質になるセントラルドグマという過程を習い、生き物の精巧さに感動したんです。生物を極めたいと考え、東京農工大学大学院農学府応用生命化学専攻の修士課程を修了しました。大学院時代は人工皮膚を研究。予想した結果にならないことが多々ありましたが、その結果自体を面白いものと捉えて、違う展開で研究を進めていく姿勢を学びました。今の仕事にも非常に役立っていると感じます。
現在は薬理研究室という、どのようなメカニズムで薬が効果を示すのかを解明する部署に所属。免疫炎症の領域で薬理評価を行うのが主な仕事です。薬をつくる過程では、非常に多くの人との対話や連携が求められる点がイメージとは違っていて驚きました。部署が違えば同じテーマをやっていても切り口が変わってきます。議論を円滑に進めるためにも、相手の事を知るように心がけています。
今後は自ら考えた創薬のテーマを臨床試験段階に上げるのが目標です。薬は効き目が強いだけでは発売できません。安全性やヒトの体の中でどう薬が吸収・分布・代謝・排せつされるのかという薬物動態も重要。薬理の専門は深めたいですが、安全性や動態も広く理解しながら研究を進められる人材になりたい。
絵画や彫刻を見るのがすごく好きで、休日は美術館によく行きます。感性の部分が刺激されることでリフレッシュできているようです。(文=斎藤弘和、写真=北山哲也)
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◇Meiji Seika ファルマ 医薬研究所薬理研究室
(2018/9/3 05:00)