[ オピニオン ]
(2018/9/4 05:00)
自動車メーカー各社にはそれぞれ名車と呼ばれる車がある。スズキの「ジムニー」もまさにその1台だろう。国内外に“ジムニスト”と呼ばれるファンを持つジムニーが20年ぶりに全面改良した。
「軽の四駆はおもしろいな」。1967年。当時、東京支店の責任者だった鈴木修スズキ会長が、社内の反対を押し切り、自動車事業からの撤退を決めたホープ自動車から権利を買い取ったのが始まり。
初代モデルは70年に発売。車名は「ジープ」と「ミニ」を組み合わせた。その名の通り、小型ながら悪路を走破する本格オフローダーはアウト・ドア・ファンから林業従事者、ハンターなどのプロまで幅広くユーザーの心をつかんだ。
コンパクトなボディーは日本の狭い山道を駆け上がるのに最適。2011年の東日本大震災では、がれきの山を乗り越え、被災地の復旧作業に貢献したという。4代目となる新型も伝統のラダーフレーム構造を継承。発売1カ月で年間販売目標を超える受注を獲得。
燃費重視で流線形の車が増える中、“原点回帰”の角張ったデザインは新鮮で、時代に媚(こ)びない輝きを放つ。かつて海外で「サムライ」と呼ばれた本格オフローダーが先進の安全装備をまとい、世界の悪路に挑む。
(2018/9/4 05:00)