[ オピニオン ]

社説/G20まで半年 万博に先駆け、国際協調を内外に

(2019/1/10 05:00)

20カ国・地域の首脳が世界経済の来し方行く末を話し合うG20首脳会議が今年、日本で初めて開かれる。6月28、29日の開催まで半年を切った。開催地は2025年国際博覧会(万博)が決まった大阪。保護主義が台頭する中、自由貿易を是とする日本が議長国として果たすべき役割は従来のG20にも増して大きい。大阪には、開催に万全の体制を敷くことはもとより、万博に先駆け国際協調の重要性を内外に示す役割を期待したい。

G20首脳会議は日米欧に中国や新興国などを加えた、世界経済を議論する枠組み。これまで国際協調を推し進めてきたが、深刻化する米中の貿易摩擦に歯止めをかけられていない。

トランプ米国大統領の強引な保護主義に中国は一歩も引かず、上乗せ関税をかけ合っている。このため、日本企業は生産を中国から他国へ移したり、調達先を変更したりといった対応に迫られている。一刻も早く、協調路線へ戻す落としどころを探らねばならない。

多国間の貿易制度の確立や紛争解決などを旨とする世界貿易機関(WTO)も、形骸化が指摘されて久しい。18年12月1日に閉幕したブエノスアイレスG20首脳会議は、首脳宣言にWTO改革を盛り込んだ。大阪のG20首脳会議の場で、改革の進捗(しんちょく)が検証される見通しだ。

今後、通商ルールを決めやすい2国間折衝の傾向が強まるとの指摘もある。ルールが複雑化し、企業の多様なサプライチェーン構築などが阻害されかねない。G20首脳会議が自由貿易や国際協調の重要性を確認する場として機能するか、日本の力量が問われる。

各国首脳が集う大阪も試される。万博を誘致した大阪はG20首脳会議を含め、国際会議などを呼び込み経済効果を高める“MICE都市”へ脱皮が進む。関西は観光資源、医療研究、モノづくりなどが集積する。国際協調は万博の趣旨でもあり、G20を捉え海外企業と中小の橋渡しや、研究開発の連携など工夫の余地がある。万博開催地、MICE都市にふさわしい役割が求められる。

(2019/1/10 05:00)

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