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社説/特定技能試験が本格化 外国人労働者の労災対策を急げ

(2019/5/16 05:00)

外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理・難民認定法(改正入管法)が4月に施行され、1カ月以上が経過した。新設された在留資格「特定技能」の対象14分野のうち、4月中に介護、宿泊、外食の3分野の技能試験が国内外で実施されるなど外国人就労に向けた準備が進んでいる。一方、外国人労働者による労働災害の増加も懸念されている。雇用する企業は言葉や習慣の違いに配慮し、日本人以上に外国人労働者の労災防止に取り組むべきだ。近年、増加傾向にある転倒や熱中症による死傷災害対策を加速していく必要がある。

厚生労働省がまとめた2017年の労働災害発生状況(確定値)によると、休業4日以上の死傷者数は前年比2・2%増の12万460人だった。事故の要因の中で転倒が同4・3%増の2万8310人とトップ。記録的猛暑だった18年は熱中症による死傷災害も急増した。同省が集計した休業4日以上の死傷者数(速報値)は前年確定値比2・1倍の1128人となった。

改正入管法の施行前から外国人労働者の死傷災害は増えている。同省がまとめた労災が発生した際、労働基準監督署に提出する「労働者死傷病報告」に基づいた17年の外国人労働者の労災による休業4日以上の死傷者数は前年比12・8%増の2494人、技能実習生は同28・8%増の639人と急増している。

今後は人手不足が深刻な製造業、介護・福祉、外食などの業種で働く外国人労働者の増加が見込まれるだけに労災の具体的な対策が急がれる。中央労働災害防止協会(中災防)は転倒防止を目的に計6種類の安全標識を開発した。外国人でも分かりやすいデザインで英語、ベトナム語、中国語でも表示可能。中災防ホームページから無料でダウンロードできるほか、標識のステッカー販売も始めた。

こうした製品を採用するなど外国人労働者の雇用を検討している企業は、安全衛生対策を進めてほしい。労使の良好な関係が労働市場としての日本に対する魅力を呼び、産業界の活性化を促すことになる。

(2019/5/16 05:00)

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