[ オピニオン ]

社説/韓国優遇国除外の波紋 破局を避け、長期戦の覚悟で

(2019/8/6 05:00)

日本が韓国を貿易管理上の優遇国から除外した措置が波紋を広げている。韓国側は過剰に反発しており、長期的な視点での状況管理が必要だろう。

こじれた日韓関係に対する日本の産業界の視線は複雑だ。少なからぬ企業が戦時中の「徴用工」をめぐる不当な訴訟に脅かされている状況は許しがたい。一方で両国が互いに貿易管理を厳格化し、輸出入がしにくくなることは歓迎しない。

大手企業首脳は「(産業界として)統一意見は出せない」と打ち明ける。その背景には、日本国民の多数が韓国の国際法違反を問題視し、優遇国除外を支持している現状がある。

冷静に見れば、日本の決定は韓国側が「経済侵略」「全面戦争」などと反発するほど異常ではない。手間と時間はかかるにせよ、日本製品の輸出を止めるわけではないからだ。時間の経過とともに韓国経済への打撃が限定的であることが分かれば和解の道が期待できる。再三の韓国の要請にもかかわらず米国が仲介に消極的なのは、この構図を見抜いているからだろう。

韓国には経済政策上の有効な対抗策がないとされる。ただ独占禁止法など経済活動を阻害する政策まで動員すれば“経済戦争”は拡大してしまう。

さらに徴用工裁判で差し押さえられた資産が売却されて日本企業に実害が及んだ場合、本来の意味で日本側が「対抗措置」に乗り出すことになれば、破局の懸念が高まる。

「責任は全面的に日本にある」などと反日感情をむき出しにする韓国の文在寅大統領に、合理的な対応を求めるのは難しいようだ。日本としては長期戦を覚悟しつつ、適切な状況管理に努めなければなるまい。

国際社会に対しては“韓国いじめ”だと誤解されぬよう十分な説明をする必要がある。他のアジア諸国に貿易管理上の優遇措置を認めることも考えるべきではないか。

何より重要なのは日米間の連携を密にすることだ。日韓関係が破局し、東アジアの平和と安全保障が維持できなくなる事態だけは防がなければならない。

(2019/8/6 05:00)

総合2のニュース一覧

おすすめコンテンツ

きちんと知りたい! 
電気自動車用パワーユニットの必須知識

きちんと知りたい! 電気自動車用パワーユニットの必須知識

今日からモノ知りシリーズ 
トコトンやさしい地球学の本

今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい地球学の本

今日からモノ知りシリーズ 
トコトンやさしい電気自動車の本
第3版

今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい電気自動車の本 第3版

機械製図CAD作業技能検定試験 実技試験ステップアップガイド
(3・2・1級対応)

機械製図CAD作業技能検定試験 実技試験ステップアップガイド (3・2・1級対応)

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ フライス加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ フライス加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

↓もっと見る

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件、無料登録会員は最大30件の記事を保存することができます。

会員登録/ログイン

このサイトでは、アクセス状況の把握や広告配信などのためにクッキー(Cookie)を使用しています。このバナーを閉じるか閲覧を継続した場合、クッキーの使用に同意したこととさせていただきます。なお、クッキーの設定や使用の詳細についてはプライバシーポリシーページをご覧ください。

閉じる