[ オピニオン ]

社説/関空開港25年 関西発展へ最適活用を図れ

(2019/9/4 05:00)

関西国際空港は4日に開港25年の節目を迎える。かつては赤字経営に苦しんだが、2016年に関西エアポートによる民営体制となって以降は、利用者も順調に増加し、18年度は航空機の発着回数が過去最高を更新するなど好調を維持している。ただ、18年9月4日の台風21号による空港機能の停止は、関西経済に冷や水を浴びせる事態となった。空港の安定運営へ、他空港の活用も含めた中長期の視点で取り組む必要がある。

関西経済のけん引役は、順調なインバウンド(訪日外国人)の増加と、電子部品や電池の輸出の二つが大きい。18年の台風21号による空港連絡橋の損壊や、空港島への浸水による電源設備・貨物地区の被害は、旅客・貨物の輸送を停滞させ、二つのけん引役にダメージを与えた。

関西エアポートは、護岸のかさ上げや電源設備の地上化などの安全対策や空港設備の増強に、25年までに約1000億円を投じる計画だ。これを着実に実行して、関空単体での機能強化を図るとしている。

ただ、長期的な視点で見た空港機能の強化策としては、大阪国際空港(伊丹空港)、神戸空港を含めた3空港のあり方についても方向性を示していく必要がある。昨年関空が機能停止をした際、国の意向もあり、特例として国際線の伊丹・神戸空港活用が検討された。関空が早期に復旧したため、実現はしなかったが、3空港が相互補完できる重要性を再認識させた。

三つの空港が半径25キロメートル圏内に存在する密集した配置は、空港をめぐる過去の国や地元自治体の思惑の結果によるもので、かつてはそれが弊害として指摘されてきた。

しかし、関西エアポートによる3空港の一体運営が実現したことや、25年の大阪・関西万博、誘致が濃厚な統合型リゾート(IR)開業によるインバウンドのさらなる増加は、3空港を有効活用できる好機でもある。関空を中核にしつつも、神戸空港の国際線就航や伊丹空港の発着時間拡大など、関西経済が活性化する方向へ、議論を進めていくべき時ではないか。

(2019/9/4 05:00)

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