台風19号、東日本直撃 企業への影響懸念

(2019/10/14 05:00)

  • 阿武隈川の氾濫の影響を受けたクラリオンマニュファクチャリングアンドサービス

東日本を中心に記録的な大雨をもたらした台風19号は13日、太平洋に抜けて温帯低気圧に変わった。気象庁が13都県に出した大雨特別警報もすべて解除された。だが長野県・千曲川や新潟県・信濃川など各地の河川の氾濫による被災状況の全容は明らかでない。政府は同日、台風19号に関する関係閣僚会議を官邸で開き「非常災害対策本部」を設置、被災状況の全容把握を急いでいる。サプライチェーン(供給網)や工場・倉庫への浸水など、連休明けの企業活動への影響が懸念される。(総合2総合3に関連記事)

記録的な大雨と六つのダムの緊急放流などにより、各地で河川の氾濫が相次いだ。各地の被災状況の詳細は明らかでないが、阿武隈川が氾濫した福島県郡山市の郡山中央工業団地が冠水。同工業団地は日立製作所やパナソニック、アンリツ、クラリオンの関連会社などが拠点を構える。栃木県足利市の毛野東部工業団地も全域が冠水した。

  • 決壊した千曲川の堤防=13日午後、長野市穂保(時事通信特別機より)

中小企業にも被害が及んでいる。冠水したJR武蔵小杉駅(川崎市中原区)付近に本社を構える長津製作所(同、カメラ部品など向け金型製造)は、社屋が被災し半地下のスペースが浸水した。山野井清社長は「1階も5センチメートルほど水に浸かり、泥掃除に追われている。機械設備への影響はまだ確認できていない」と話す。

ショウワエンジ(栃木県佐野市、機械設備製造)は秋山川(佐野市)の堤防決壊で本社工場が浸水し、機械設備が水没。当面の操業停止を見込み、復旧作業に充てる予定だ。またテクノワールド(栃木県佐野市、電設工事・機械設備製造)も本社工場の一部が浸水。地盤をかさ上げしていたため製品や設備に被害はなかったが、本社周辺の土砂を片付けるなど復旧作業を進め、15日に操業を予定する。

国土交通省によると、延べ21河川で堤防が決壊。氾濫は延べ142河川に及んだ。企業への甚大な影響は必至だ。

(2019/10/14 05:00)

総合1のニュース一覧

おすすめコンテンツ

基礎から学べる!KPIで実践する世界標準のSCM教本

基礎から学べる!KPIで実践する世界標準のSCM教本

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

モノづくり現場1年生の生産管理はじめてガイド

例題練習で身につく 技術士第二次試験「機械部門」論文の書き方

例題練習で身につく 技術士第二次試験「機械部門」論文の書き方

今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしいスキンケア化粧品の本

今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしいスキンケア化粧品の本

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン