社説/日米で金融政策分かれる 今後も日銀に追加緩和の圧力

(2019/11/1 05:00)

世界経済が減速する中、日米金融当局の政策の違いが目立っている。緩和を続ける米国と据え置きを続ける日本。その差はどこからくるのだろうか。

米連邦準備制度理事会(FRB)は10月30日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を0・25%引き下げて年1・5―1・75%とすることを決めた。米中貿易摩擦に伴う世界経済減速の影響を緩和するには追加の金融緩和が必要と判断したもので、7、9月に続く3回連続の利下げとなる。

同じく30日に発表された米国2019年4−6月期の実質国内総生産(GDP)は年率換算1・9%増と前期比ほぼ横ばいだった。しかし、設備投資は3・0%減と前期に続くマイナスで、約4年ぶりの低水準。貿易摩擦の影響から製造業などで先行き懸念が強まっているためで、FRBの追加利下げの判断材料となったのではないか。

一方、日銀は31日に開いた金融政策決定会合で追加緩和は見送り、現在の大規模な金融緩和を維持することを決めた。企業の設備投資に陰りがみられ、消費者物価指数は弱含みだが、消費税率引き上げ後も内需は堅調に推移している。さらに円相場は108円台で安定しており、株価は年初来の高値更新が続いているため、マイナス金利の拡大などは見送った。

10月1日の消費税引き上げが景気の冷え込みを招くことが懸念された。しかし、軽減税率の導入やポイント還元制度など政府の対策が功を奏し、増税から1カ月の現在、個人消費の大幅減少といった様子はみられないようだ。

国際通貨基金(IMF)の最新の世界経済見通しによると、世界的に貿易や投資が減速していることから、19年の成長率を3・0%と予測した。これはリーマン・ショック後の09年以来10年ぶりの低水準。前回予測から0・2ポイントの下方修正となる。IMFは「世界全体の90%の国・地域で経済が減速している。経済見通しのリスクは下方に傾いている」と警告しており、日銀は引き続き追加緩和圧力に見舞われることになりそうだ。

(2019/11/1 05:00)

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