産業春秋/渋沢栄一の遺産

(2021/9/16 05:00)

新1万円札の印刷も始まり渋沢栄一の出身地・埼玉でのブームは最高潮に達している。生家を出て京都、パリ、東京と活躍の場を移す栄一も埼玉との縁は続き、ともに日本の近代化や高度成長を支えた。

東京駅の駅舎に埼玉・深谷産れんがが使われたように、埼玉の土は近代建築の基礎となった。利根川の氾濫で土地が洗われ粘土質が多いという故郷の土壌を知り尽くしていた栄一は、深谷に日本煉瓦製造を設立。れんがの量産に初めて成功する。

幕末、栄一の養子の平九郎が官軍との戦いに敗れ自刃したのも今の埼玉・越生。もし秩父まで逃れていれば明治期にも活躍していただろう。彼が踏めなかった秩父の土にも因縁がある。

秩父の空に高くそびえる武甲山。その山頂には人工的なしま模様が見える。山頂で石灰石を採掘しているためだ。太平洋上のサンゴ礁が何億年もかけ移動、隆起し、標高1000メートル超でそれが露頭しているのだ。

秩父の石灰石に注目したのが栄一の親戚の諸井恒平。栄一の援助で秩父セメントを設立。高度成長期には東京のビルや道路などの建設にその材料を大量供給した。栄一と埼玉の縁、そしてその功績は今も縁の下でひっそりと輝いている。

(2021/9/16 05:00)

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