富士フイルム、米2拠点に300億円投資 細胞治療薬の生産能力倍増

(2023/12/5 17:00)

富士フイルムは5日、細胞治療薬の開発製造受託(CDMO)事業を展開する米国2拠点に総額約2億ドル(約300億円)の設備投資を行うと発表した。投資するのはカリフォルニア拠点とウィスコンシン拠点で、細胞治療薬の生産能力をそれぞれ倍増する計画。市場成長が見込まれる細胞治療薬領域のニーズへ対応し、CDMO事業の拡大を狙う。

人工多能性幹細胞(iPS細胞)を手がける富士フイルムの米子会社フジフイルムセルラーダイナミクス(FCDI)のウィスコンシン拠点は新たに土地を購入し、生産プロセスを開発するための研究設備や製造設備などを導入する。細胞治療薬のプロセス開発の受託能力を拡大と生産能力の倍増を見込んでおり、2026年に稼働を予定する。また同フジフイルムダイオシンスバイオテクノロジーズ(FDB)のカリフォルニア拠点は、生産プロセス開発のスペースの設置や既存設備の改造で、細胞治療薬の生産能力を倍増する。

細胞治療薬は、細胞そのものを投与して疾患を治療するバイオ医薬品。アンメットメディカルニーズ(未充足の医療ニーズ)を解決する最先端治療薬として注目され、細胞治療薬市場は22年度の33億ドルから年率30%超の成長を見込む。

(2023/12/5 17:00)

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