海草類調達で藻場守る ヴェントゥーノ・中野勇人社長に聞く

(2024/2/8 12:00)

漁協と地域貢献協定

  • ヴェントゥーノ社長 中野勇人氏

ヴェントゥーノ(福岡市中央区)は健康食品や化粧品を製造、販売する。2021年、海藻などが二酸化炭素(CO2)を吸収する「ブルーカーボン」の推進で糸島漁業協同組合(福岡県糸島市)と地域貢献協定を結んだ。「海藻の可能性でイノベーションを起こし、人と海が美しい未来をつくる」が企業理念と強調する中野勇人社長に狙いや展望を聞いた。

―アライアンスの経緯を教えてください。

「当社商品に用いる『フコイダン』というぬめり成分の原料となる海藻類は地域で調達するのが理想的だ。糸島市とはフコイダンの効果や効能を共同研究する九州大学を介して懇意にしている。糸島漁協が抱える藻場の減少や人手不足など課題も聞いていた。漁協はワカメを養殖しており、根元部分のメカブは廃棄されることが多いと知り、原料として購入することにした」

  • 海藻から抽出するフコイダンを使って開発した商品

―狙いと期待する効果は何ですか。

「ワカメの生産効率や生産量の向上に貢献し、漁業従事者の収入安定に寄与できる。藻場が減少・消失する磯焼け対策にもつながり、漁協の課題解決に貢献できる。糸島産のメカブから取れたフコイダンを将来、ブランド化できれば市にもメリットがある。当社も多くのメカブを仕入れることができて新商品開発につながり、お客さまにも喜んでいただける。四方良しだ」

―今後の展望は。

「糸島市が実験的に始めた海藻のアカモクの養殖で近隣の藻場が増えていると聞く。協定の事業が国連の持続可能な開発目標(SDGs)につながると確信する。今後データ化を進め、課題や成果を整理して九州の中で事業拡大を検討する」

(2024/2/8 12:00)

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