米金利据え置き有力 FOMC、インフレ・雇用情勢見極め

(2024/3/19 17:00)

  • FRBのパウエル議長(EPA時事)

米連邦準備制度理事会(FRB)は19―20日(現地時間)の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、金融政策を決定する。5会合連続で政策金利を5・25―5・50%の水準に据え置く公算が大きそうだ。FRBのパウエル議長は2024年内の利下げを示唆する一方、インフレと雇用者増加の鈍化を慎重に見極めるとみられる。

堅調な米景気を背景に、2月の経済指標はインフレ低下が市場の想定以上に緩やかとの結果を示した。三井住友DSアセットマネジメント(AM)の市川雅浩チーフマーケットストラテジストは「利下げが早過ぎてしまうとインフレが再加速しかねない」と指摘する。同社は、FOMC開催に合わせて6月から3カ月ごとに0・25%ずつ3回の利下げを行うと予測していたが、7月と11月の2回に変更した。

3月のFOMCは、参加者メンバーが四半期に1回公表する政策金利の見通し「ドットチャート」が焦点となる。FRBは23年12月、24年の利下げ回数の中央値を3回としていたが、2月の米卸売物価指数(PPI)が市場の想定より高く、インフレの根強さから2回に減る可能性が浮上している。三井住友DSAMの市川氏は「雇用統計の目立った鈍化が確認できれば、6月の利下げ開始もあり得る」とみる。

一方、利下げ回数は米景気が減速する前提で年4回、景気が想定より強ければ3回との見方もある。大和証券の山本賢治シニアエコノミストは「1月のFOMCの声明文では、政策金利の方針を中立の状態に戻している。今後は必要に応じて利下げも利上げもある」と説明。4回が妥当としつつ、「利下げし過ぎると景気と株高を過熱させる。景気が堅調であれば3回も難しくなる可能性がある」と予測する。

FRBは利下げ開始の目安となるインフレ率2%の達成を念頭に、時期や回数を慎重に判断する見通し。今後も景気や消費の持続性を注視する必要がありそうだ。

(2024/3/19 17:00)

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