“誰でもすぐにベテラン化” ヤマト、配管生産ラインを自動化・デジタル化

(2024/4/3 12:00)

工業化は「第3の営業」

  • ステンレス管を加工する朝倉工場

ヤマトはサブコン業界に先駆け、約30年前に設備配管を工業化した。現在は三つの加工センターを置き、“誰でもすぐにベテラン化”を掲げて配管生産ラインの自動化とデジタル化を推し進めている。工業化により、現場施工工数が減り、配管品質も格段に向上した。効果はこれにとどまらず、地域の高齢者雇用にも広がっている。同センターでは、定年後の未経験者が生き生きと働く。

ヤマトは1994年に加工センターの第1工場(前橋市)を、2008年に第2工場(同)を置いた。ステンレス管の需要増に応じ、13年に朝倉工場(同)を設置した。

それまでは現場で溶接していたため、品質に差があったり、火災の危険があったりした。長時間労働も常態化していた。高齢化や人手不足もあり、見いだした解が工業化だった。配管を工場で加工するほか、モジュール化やユニット化により、施工工数を半減して工期短縮した。

朝倉工場の配管生産ラインでは、切断をはじめ、管の接続部をラッパ状に広げる「フレアー加工」、穴を開けて枝管をつくる「バーリング加工」、曲げる「ベンダー加工」を自動化している。バーリング加工設備は特許を取得した。こうした自社開発の設備が少なくない。

  • 従来工法㊤と継手レス化㊦の配管(右上はフレアー加工品)

また、継ぎ手レス(溶接レス)化によって配管の接続部を減らし、管路の腐食などを抑制している。溶接レス化は、配管品質の向上だけではなく、二酸化炭素(CO2)削減にもつながる。溶接工程はロボットを導入しており、自動化率89%を達成している。

加工は3次元CADデータの施工図を基に加工図を作成し、一つひとつの部材を抽出して部材製作図にする。技能のデジタル化にも取り組んでいる。例えばベンダー加工する場合、寸法通りに切断するのではなく、加工時の伸びや収縮を考慮しなければならない。従来は技術者が計算して入力していたが、23年に自動計算・入力できるようにした。

「技能を単純作業化し、誰でも働ける工場にしたい」。軽部和由朝倉工場長はこう強調する。実際、同工場の作業員約40人のうち約半数は、銀行や役所などの畑違いの仕事を定年後に集まった人材だ。冬場でも快適に働けるように全面床暖房にしたり、高齢者雇用に合わせて手すりを追加したりといった配慮も同工場の魅力になっている。

同センターはヤマトの受注競争力を支える。軽部工場長は「第3の営業として、全ての関係者から信頼される工場にする。多様な人材が財産だ」と言い切る。

(2024/4/3 12:00)

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