アルミ引き抜き加工で課題解決に貢献 日本伸管

(2024/4/3 12:00)

異形・薄肉、クラッドに対応

  • 日本伸管が手がける異形のアルミ引き抜き

自動車や事務機器(OA)・光学機器、日用品など幅広い分野で使用されるアルミニウム製品。日本伸管(埼玉県新座市、細沼直泰社長)は、引き抜き加工で高精度の製品を生み出し、顧客の課題解決に貢献している。

同社が手がけるアルミ引き抜き加工は、母材の押出材を常温で引き抜く(冷間引き抜き加工)ものだ。ダイス(外径金型)を通して絞ることで、寸法精度や表面品質、強度を高めることができる。

特定の引き抜きを手がける企業が多い中、外径5ミリ―200ミリメートルに対応し、断面形状が六角・星などの異形や、他金属と組み合わせたクラッドもできる。「金型や潤滑油、工程にノウハウがある。かつて、ありとあらゆる油を試した。『できない言い訳をしない』が前会長(細沼哲夫氏)の方針。難しいものに挑戦してきた」と細沼社長は強調する。1967年の創業以来の積み重ねが、高い技術に結び付いている。

本社工場と白河工場(福島県西郷村)、タイ工場(アユタヤ県)の3拠点があり、従来は主に本社が光学、白河がOA、農機具を担ってきた。設備も引き抜き能力5トンから国内最大級の100トンのドローベンチ(抽伸機)をそろえる。「創業10年で白河ができ、本社と違う分野に取り組んできたことが会社の幅を広げた」(細沼社長)。

今後は引き抜きを軸に機械加工やアルマイト処理(表面処理)、組み立てまで一貫生産を打ち出す。「素材としてではなく、部品として提供できれば差別化できる。顧客のメリットも多く、当社からコスト低減などを提案できる」(同)。品質や生産効率を向上するためドローベンチや加工機なども増強する。

引き抜きは扁平(へんぺい)で薄肉のものは難易度が格段に高い。だが、軽量化が重視される自動車業界などで需要が期待できる。細沼社長は「異形で薄肉は当社にとって未知の領域。技術にめどが立ってきた。実現できれば“引き抜き屋”としてのレベルを向上できる」と力を込める。

(2024/4/3 12:00)

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