(2024/5/7 12:00)
自動車のサスペンションやシャシー部品を生産するエフテック。人間尊重を基本理念とし、年齢や性別、国籍、宗教などにかかわらず、多様な人材が活躍できる環境作りを目指してきた。国内約1000人の正社員のうち、女性が1割弱を占め、さまざまな業務に携わる。2022年には年間の採用の2割を女性とする計画を立て、育児や介護があっても働き続けられる制度の導入を進めている。
エフテックは女性社員が事務、営業、開発、生産などさまざまな業務に携わり、海外営業や品質保証などでは管理職クラスの人材も生まれている。鉄製の重い大物部品の生産が多い工場では、個人に合わせた仕事や場所に配置するのを基本とし、検査や軽い部品を扱う工程のほか、金型のメンテナンスやデジタル変革(DX)に携わる人材もいるという。
女性比率の引き上げに取り組むのは、国内労働人口の減少といった背景から「男性だけで労働力をまかなっていくのは難しい」(榊原宏悦管理本部人事部長)と考えるためだ。生産現場では力仕事も多く、男性比率が高いが、女性の視点を採り入れて作業の省力化や効率化を進めれば、女性や高齢者や障がい者、外国人など多様な人材が働ける環境作りにつながる。人材の多様性を増すことで「いろいろな価値観を業務に生かす」(藤江俊成生産本部久喜事業所長)ことも可能になる。
採用では22年から年間2割を女性とする計画を掲げた。ただ、採用数が増えても一定の退職者があり、全体の人数は横ばいという。そのため、「採用した人材が働き続けられる環境を整備する」(榊原部長)ため、ここ数年で育児や介護の支援制度を増やしている。
中でも、子を持つ社員の働きやすさを改善する取り組みは多い。保育園に預けるために始業時間に遅れても遅刻扱いにしない制度、夏や冬の学校の休み期間には短時間勤務できる日数の増加、看護休暇の対象となる子の年齢を幼稚園・保育園までから小学校3年生までに引き上げるなど、複数の制度を充実。間接部門から採用し始めたフレックス勤務制度も事業所や部署の実態を見ながら導入を拡大している。
今後は生産現場に働きやすさの改善を広げたい考えで、23年から久喜事業所(埼玉県久喜市)で工場の食堂に「意見箱」を置く取り組みを始めた。「現場の要望を聞いて従業員のエンゲージメントを向上する取り組み」(藤江所長)として、集めた要望への対応を検討していく。
(2024/5/7 12:00)
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