深層断面／熊本地震１週間−復旧優先、成長シナリオ修正も

「熊本地震」発生から１週間―。被災地の復旧作業は今なお続き、被害の全容が見通せない状況にある。政府は被災状況の把握を急ぎ、来週にも同地震の「激甚災害」指定を閣議決定する。２０１６年度補正予算の編成も視野に、被災者支援とインフラ復旧を急ぐ意向だ。ただ被害の規模によっては補正編成にとどまらず、１７年度の消費増税延期なども視野に入る。被災地の復旧・復興と日本経済全体の景気浮揚に向け、経済財政運営上の課題が山積する。（編集委員・神崎正樹、杉浦武士）

【急がれる被災者支援・インフラ回復】

■被害総額予測できず

• 

• 

  熊本地震で被災したナカヤマ精密（大阪市淀川区）の熊本工場（熊本県西原村）

• 

  運転を見合わせていた九州新幹線が、一部区間で再開したとのお知らせを見る利用者（２０日、ＪＲ鹿児島中央駅）

１１年の東日本大震災の被害総額は約１７兆円、９５年の阪神・淡路大震災は約１０兆円、０４年の新潟県中越地震は約３兆円だった。今回の熊本地震は今なお余震が続き、被害の全容が見...