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防災産業展in東京/インフラ代替技術アピール(動画あり)

(2017/6/8 05:00)

  • 太陽光発電と燃料電池で飲料水・電気を供給するシステム(日本フイルコン)

  • 防災科研・林理事長の基調講演

7日に開幕した「2017防災産業展in東京」では、防災・減災に関するさまざまなシステムや技術、装置などを紹介。被災によりインフラ機能が失われた時に必要となる、エネルギーや水などを供給できる装置や技術の展示が目立った。

三菱ケミカルホールディングスグループのウェルシィ(東京都品川区)は、「地下水膜ろ過システム」を紹介。膜濾過処理により、地下水を飲料水に変えられる。自動車3台分の駐車場スペースの広さに設置でき、分散型の水道システムとして活用できる。

2016年4月に発生した熊本地震では、同システムを導入していた熊本市内の4病院が近隣住民に飲料水を提供。災害時に威力を発揮した。ウェルシィの渡辺愛彦常勤顧問は「水道の代替水源として災害対策に利用できる」と説明する。

日本フイルコンは太陽光発電と燃料電池を組み合わせた、飲料水と電気を供給するシステムを出展した。災害時には、太陽光発電による電気で防火水槽やプールなどの水を濾過し、生活用水を供給できる。平時は水を電気分解して水素を貯蔵。太陽光発電が使えない時に、燃料電池で発電できる。

日本フイルコンの伊藤仙理総合研究開発室新規開発担当課長は「燃料が不要で発電時の音が静か」とアピール。静岡県の小学校で導入実績がある。

岩谷産業は電気や都市ガスが遮断された時に使える液化石油ガス(LPG)を紹介。設置型や持ち運び可能な発電機、炊き出し用調理器、空調などさまざまな機器で利用できる。

例えば、カセットガスはコンロやストーブなども使用可能。岩谷産業の加藤謙太郎総合エネルギー本部生活総合サービス部部長は「災害に強いエネルギーでいろいろなエネルギーを提供できる」と強調する。

このほか、東京電機(茨城県つくば市)は防災無線の基地などで使える非常用発電装置を出展。新製品は従来品より小型化し、稼働音を低減した。

【産業界と連携−防災科研・林理事長が基調講演】

防災科学技術研究所(防災科研)の林春男理事長(写真右)は7日、東京・有明の東京ビッグサイトで「防災科学技術のイノベーションの中核機関を目指して」と題して基調講演し、産業界への協力を強調した。防災科研が持つ地震や大雨、吹雪などを再現できる研究施設を「自動車の性能検証などに利用できる」と提案。「産業界との連携を強化したい」と語った。

また、セブン―イレブンの店舗の屋根に積雪計を設置し、降雪状況などを分析する研究なども紹介。JR東日本との共同研究に活用するなど、海溝型地震の防災に役立つ日本海溝海底地震津波観測網(S―net)について、「地震の早期警戒情報を伝え、被害を減らしたい」とした。

(2017/6/8 05:00)

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