産業春秋／円ドル、覆面介入で乱高下

２４日の東京外国為替市場は円ドル相場が乱高下した。１ドル＝１５０円に接近した直後、同１４５円まで一気に円高に振れる場面があった。政府・日銀の覆面介入が乱高下につながったようだ

覆面介入は先週末の２１日深夜以来とされ、相次ぐ。日米金利差の拡大が見込まれる中で円買い材料は見当たらない。急な円安の是正に向け、政府・日銀はマイナス金利政策と矛盾する円買い介入も実施せざるを得なかったと見られる金融政策の矛盾は英国でも見られた。トラス首相の大型減税表明を発端に急落したポンドと英国債の反発を狙いに、イングランド銀行は中旬まで一時的な英国債の購入に動いていた。インフレ抑制と逆行する対策を余儀なくされていた

同行は相場反発を受け、１１月１日に英国債売却へと金融政策を正常化させる。ただ景気後退と４０年ぶりのインフレを軟着陸させる施策は不透明なまま。再び矛盾する政策を迫られないか、新首相の手腕に注目したい

円ドル相場をめぐる神経質な展開はいつまで続くのか心配だ。米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）は１１月会合で政策金利を０・７５％引き上げるとみられるが、１２月会合で利上げペースが緩めば為替介入は不要に？