産業春秋／子どもがほしくない理由「お金以外の問題」

多くの職場で新入社員を迎える新年度。生まれた時からインターネット環境で育ったＺ世代との世代間ギャップに戸惑いつつも、彼ら・彼女らの価値観に思いを巡らせ、距離を縮めていく職場環境でありたい。

今通常国会の最大の焦点が少子化対策。国会では児童手当や育児休業制度の拡充など経済的支援が審議の中心だった。果たしてＺ世代に響いているのか少し心配になる。

ビッグローブ（東京都品川区）が１８―２５歳の男女に行った「子育てに関するＺ世代の意識調査」では、「将来、結婚して子どもがほしい」との回答は全体の４４・９％で、「将来、結婚したいが子どもはほしくない」「将来、結婚もしたくないし子どももほしくない」を合わせた４５・７％を下回った。

子どもがほしいと思わない理由は「お金の問題」（１７・７％）よりも「お金以外の問題」（４２・１％）の方が多かった。必ずしも経済的な理由ではないらしい。

「お金以外の問題」は「育てる自信がない」「子どもが苦手」「自由がなくなる」など。「子どもが苦手」は別として、子育てママに寄り添う手厚い地域の支援や働き方改革の推進など、経済的支援にも増して政府が講じるべき課題が浮かび上がる。