社説/インドを考える(上)有望国も法制・インフラ留意を

(2023/7/11 05:00)

高い経済成長率を誇り、主要20カ国・地域(G20)の議長国を務めるインド。グローバルサウスの盟主として存在感を増すインドと安全保障・経済の両面で関係を強化することが西側諸国の大きな課題になる。経済面ではインドは市場として魅力があるものの、州ごとに異なる複雑な法制度や未整備のインフラなど課題が少なくない。インドには投資環境の整備を促し、中長期の視点でインド市場を深耕し中国依存を弱めたい。

日印の友好親善を推進する「日印協会」会長の菅義偉前首相は6日、訪問先のインドでモディ首相と会談し、インドの複雑な税務や物流インフラの整備などを求めた。日本貿易振興機構(ジェトロ)が2022年末にまとめた調査では、インドでの経営上の問題として賃金・調達費の上昇、通関手続きの煩雑さ、税務負担などが指摘された。インフラ整備の遅れはインド政府の土地収用が進んでいない影響が大きく、進展が求められる。

菅氏の訪印には100人規模の日本の経営幹部らが同行するなどインドへの関心が高い。日本企業のインド進出を促す契機となることが期待される。

インドは年内に人口で中国を上回り、22年の国内総生産(GDP)は英国を抜いて世界5位、自動車販売台数は日本を上回り世界3位に躍り出た。人口の約半数が30歳未満という若い国の潜在的な成長力は魅力だ。

ただモディ政権が発足した14年以降、経済改革の一方で経済・社会を混乱させ、独裁姿勢を強めたことにも留意したい。16年には高額紙幣の流通を突如停止し、コロナ禍では世界最大のロックダウン(都市封鎖)に動くなど政策が急進的で読みにくい。ヒンズー教を重視する政権のイスラム教徒弾圧、非民主主義的な行動も看過できない。

国際協力銀行の調査によると日系製造業にとって中長期的な有望国の1位がインドだった。経済安全保障の観点から中国依存を弱め、大国・インドとは関係を強化したい。インドが投資環境を改善し、人権・民主主義を堅持することを前提に新たな日印関係を築いていきたい。

(2023/7/11 05:00)

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