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[ 科学技術・大学 ]
(2016/12/30 05:00)
筑波大学大学院システム情報工学研究科の岩田洋夫教授、矢野博明准教授、田辺健大学院生らは、手に持つと前後や左右の回転方向への力を感じることのできる振動デバイスを開発した。振動スピーカー二つを左右反対に固定したシンプルな構造で、実際には力は発生していない。方向の判別率はほぼ100%。手を引くような道案内システムやVR(仮想現実)ゲームなどに提案する。
開発したデバイスは前方向に力を提示する場合、前方向に素早く動き、ゆっくりと戻る振動をくり返す。人間の手が素早い動きを感じやすく、戻る動きは感じにくいため前方向に力を感じるように錯覚するという。
左回転方向に力を提示する場合は、右の振動スピーカーを前に、左の振動スピーカーを後ろに力を感じるように振動させる。デバイスを横向きに持てば前後進と左右への回転、縦に持てば前後進と上下への回転を提示できる。
力の感じ方を測ると、約0・5ニュートンの力を感じていた。一般的に力を発生させるには床や壁などに固定する必要があり、ジャイロ効果を使うと装置が重くなる課題があった。開発したデバイスは約100グラムと軽く、手に持つだけですむため屋外など広い場所での利用に向く。ゲームのコントローラーやVR体験での誘導などでの応用を考えている。
(2016/12/30 05:00)
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