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[ 科学技術・大学 ]
(2017/6/26 05:00)
東京大学大学院新領域創成科学研究科の鈴木宏二郎教授らが開発した超小型衛星「EGG」(エッグ)が、大気圏再突入の飛行実験に成功した。特殊な布を傘状に開き、再突入時の超高熱を防いだ。通信ネットワークを使う低コストな衛星の運用をはじめ、超小型衛星が宇宙からモノを持ち帰る新サービスや、超小型着陸機による低コストな惑星探査につなげていく。
エッグは1月16日に国際宇宙ステーション(ISS)から軌道に投入。翌日には米国のイリジウム衛星との通信実証実験に成功した。衛星の通信システムだけで運用できる人工衛星は世界で初めて。従来は地上局との通信が必要だった。118日間の飛行後、5月15日に大気圏へ再突入して焼失した。
研究グループは今回の成果を、後継の超小型衛星「スーパーEGG」の開発につなげる考え。衛星の動きを制御できるようにするほか、耐熱性などを強化する。鈴木教授は「超小型のスラスター(推進装置)を積みたい」としている。
日本大学生産工学部の今村宰准教授、宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所の山田和彦准教授との共同研究。
エッグは耐熱性の柔らかい布をガスで膨らませると、ブレーキの役割を担うキノコのような傘が開く。展開前の大きさは11センチ×11センチ×34センチメートル。重さ4キログラム。
(2017/6/26 05:00)
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