(2023/10/18 12:00)
川金ホールディングス(HD、埼玉県川口市)は鋳造品製造などの素形材、土木建築機材、産業機械事業を3本柱とする。近年は老朽インフラの補修ニーズを受け、土木建築向けが好調だ。設立75年を迎え「エンジニアリング企業への転換を目指す」という鈴木信吉社長に展望を聞いた。
―2024年3月期の見通しは。
「成長ドライバーに据えていた半導体製造装置向け部品が市場縮小により低調のため、減収の見込みだ。だからこそ、生産ラインに余裕がある今しかできない品質改善活動や生産効率化を実施し、次のチャンスに素早く対応するための土台を作る。並行して医療分野など新市場も開拓する」
―トヨタ自動車が車体をアルミダイカストで一体成形する工法「ギガキャスト」を導入します。
「子会社の川金ダイカスト工業(福島県白河市)が、アルミダイカストの新工法『ナノキャスト』を有している。軽量で低コスト、強度の高い製品を作れるため電気自動車(EV)向けにシナジーがありそうだ。採用に向け提案活動を強める」
―子会社の統合を進めている背景は。
「川金コアテック(埼玉県川口市)と川金テクノソリューション(同)を統合し、建築向け免震・制震・耐震事業を一本化した。同じ領域の事業ながら異なる製品を展開しており、統合によって幅広いメニューを提供でき営業力強化にもつながる。今後も効率化を念頭に置いた統合を進める」
―インフラ補修のニーズが高まっています。
「2―3年前から国内の高速道路向けの大規模な補修作業がかなり増えた。路面補修がメーンだが、橋の下に設置している免震装置も同時にチェックし、必要に応じ交換・補修している。売上高の5割を土木建築機材で稼ぐまでに成長した。将来は点検、解析など提供範囲を広げ、さらに売り上げを伸ばす」
―今後の会社の方向性は。
「モノづくり以外の分野でも求められる企業になるため、設計やサービス、メンテナンスを手がけるエンジニアリング企業に転換する。例えば鋳物にしても、当社が設計部門を担当し、モノづくりは他社に任せることも構想の一つだ」
(2023/10/18 12:00)
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