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[ 科学技術・大学 ]
(2018/3/3 23:00)
宇宙探査に関する閣僚級の国際会議「第2回国際宇宙探査フォーラム」(ISEF2=アイセフ2)が東京都内で3日開かれ、国際宇宙探査の共通原則となる「東京原則」を取りまとめ、議論の中の重要認識をまとめた共同声明を採択した。40以上の国や宇宙機関の閣僚や関係者が参加。月や火星、それより遠い宇宙への国際宇宙探査の方向性を議論した。
開会時に安倍晋三首相はビデオメッセージで「これまでに人類は衛星通信や地球観測など宇宙を利用した社会インフラを作ってきた。今までに国際協力で得られた技術と経験を生かし、今後国際協力を強化すべきだ。月探査に関して各国の宇宙飛行士が月面に立つことができれば、すばらしいことだと思う。この会議を人類にとっての大きな一歩としたい」と宇宙探査にかける思いを強調した。
東京原則では、宇宙探査に関して平和利用や科学利用、経済の拡大、宇宙探査の継続性などをまとめている。共同声明では、宇宙探査の重要性と人類の利益や宇宙探査への国家投資の理由と得られる価値などについて確認した。
共同声明では、国際宇宙ステーション(ISS)の利用に関して、科学や宇宙探査に向けた実験の場として大きな成果があったことを明記。会議中には、ISSに滞在中の宇宙飛行士・金井宣茂さんらとの交信イベントを実施した。金井さんは「人類の歴史に残るイベントに参加させてもらい感謝している。ISSでは最先端の科学が行える。将来、多くの人々が宇宙活動に参加することで革新的なアイデアを引き出せる。今後の宇宙探査に期待したい」とコメントした。
閉会にあたり、林芳正文部科学相は「会議で取りまとめられた東京原則と共同声明は大きな成果で、国際宇宙探査の幕開けとなるだろう。宇宙探査に関する取り組みを継続し次回欧州で開かれるアイセフ3へとつなげたい」と強調した。
アイセフ3は2021年までにイタリアと欧州主要国との2カ国が共同開催する。
(2018/3/3 23:00)