[ 科学技術・大学 ]

【電子版】JAXA、はやぶさ2から探査ロボ「ミネルバ2-1」投下へ

(2018/9/21 11:00)

  • リュウグウ表面の探査を行うミネルバ2-1のRover-1A(奥)とRover-1B(手前)(JAXA提供)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は21日、探査機「はやぶさ2」に搭載された2台の小型探査ロボット「ミネルバ2-1」を小惑星「リュウグウ」に向けて投下する。着地後に内蔵モーターの力でジャンプしてリュウグウの表面を移動し、複数の場所での写真撮影などを試みる。

 JAXAは2005年、初代「はやぶさ」でも、小型探査ロボット「ミネルバ」を小惑星「イトカワ」に向けて投下したが、放出タイミングがずれて着地に失敗。約13年ぶりの再挑戦となる。はやぶさ2は20日、リュウグウの上空20キロメートルから降下を開始。21日午後1時~同1時半に上空約60メートルまで接近し、2台を赤道の北側に向けて投下する。

  • 「はやぶさ2」探査機の底面(JAXA提供)

 はやぶさ2は、3台のミネルバ2を搭載している。今回投下されるのはJAXAと会津大(福島県会津若松市)などが開発した2台で、いずれも直径18センチ、高さ7センチメートルの円筒形。重さは約1キログラムで、内部にモーターとカメラなどが入っている。

 重力が地球の約8万分の1しかないリュウグウでは、空回りするため車輪を使った移動はできない。このためミネルバ2-1はモーターの力を利用して飛び跳ねるように移動する方式を採用。着地先で地表を撮影してはやぶさ2に送信し、再び別の場所にジャンプして観測することを繰り返す。

  • 小型ローバ「ミネルバ2-1」。左がRover-1A, 右がRover-1B。奥はローバを格納するカバー(JAXA提供)

 小惑星などへの投下後、天体の表面を移動して観測したケースはなく、ミネルバ2―1が成功すれば世界初となる。

 はやぶさ2は10月3日にドイツ、フランスが製作した観測用小型着陸機「マスコット」を投下する。東北大などが開発した「ミネルバ2-2」は来年投下の予定で、はやぶさ2本体も10月下旬にリュウグウに着地し、試料の採取に挑む。(時事)

(2018/9/21 11:00)

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