産業春秋/冬至

(2020/12/21 05:00)

この時期になると、実家の庭にたくさんのユズの実がなった。その昔“ゆず湯”としゃれこもうと、たくさんもいで湯船に入れ、さあ温まろうと入ったとたんに全身が真っ赤になり、あわてて飛び出したという騒動があった。

温泉地で見たゆず湯は、大きな湯船に十数個かのユズが布袋に入って浮かんでいた。それと同じぐらいの数を家庭の湯船に入れたから明らかに多すぎた。何事も適量があるのだと思い知った。

きょうは二十四節気の一つ「冬至」。日照時間が最も短い日だ。冬至の日にゆず湯に入る風習は、風邪をひきやすい季節に体を温めようという意味や、翌日から日差しが増え、陰から陽へ気が戻る「一陽来復」を迎える前に身を清めるという意味もある。

日本だけでなく、たくさんの国々で冬至を季節の区切りとして祝う。特に北欧では太陽が昇らない季節がようやく終わる復活を象徴する日でもある。

世界を暗い日々に落としている新型コロナウイルス感染症。太陽の復活とともに、感染の影も消えてくれないか。欧米に続き、日本でもワクチン接種の認可手続きが始まった。世界に明るさが戻る日はいつか。“適量”のユズを浮かべ、身を清めてその日を待ちたい。

(2020/12/21 05:00)

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