産業春秋／テレワーク川柳

グランプリには「リビングが　３社の集う　シェアオフィス」が輝いた。家族みんながテレワークになり、リビングがシェアオフィス化した光景を鮮やかに切り取った。

日本テレワーク協会が実施する「テレワーク川柳」は今回で６回目。前回の倍以上の１７２９作品の応募があり、年齢層も１８歳から８５歳と幅広い。コロナ禍で暮らし方が大きく変わり、家庭での戸惑いや気づきなど実体験を踏まえたものが増えた。

「テレワーク　今やみんなの　命綱」。早くから導入していた企業はすぐに移行できたようだ。「昭和脳　変換できたよ　在宅脳」、「無理だよと　言ってた人ほど　テレワーク」は、導入に二の足を踏んでいた社員や企業の喜びが聞こえてきそうだ。

鉄道関係者には心苦しいが「懐かしむ　時が来るかも　定期券」は通勤が常態だった時代へのノスタルジーを感じさせる。「見えぬ社員　見えないけれども　見なければ」は中間管理職の苦悩がにじむ。

父親が子どもの株をあげた「朝礼を　仕切る父の背　かっこいい」は何ともほほえましい。身につまされるのは「いざ出社　焦るベルトの　きつさかな」。緊急事態宣言の延長で健康管理はくれぐれも怠りなきように。