社説/米中間選挙、民主党善戦 「自国第一」警鐘と受け止めたい

(2022/11/11 05:00)

バイデン米大統領は日本時間10日午前の会見で、中間選挙後は共和党と協力しつつも、同党が容認する中絶禁止や、富裕層に対する減税には反対する考えを表明した。共和党内にウクライナ支援の減額を求める声があることを念頭に、超党派による取り組みを継続したい意向も示した。インフレを助長しかねない共和党の減税案を退け、十分なウクライナ支援を継続できるよう、粘り強く与野党協議に臨むことが求められる。

中間選挙はトランプ前大統領の影響力が大きい共和党が事前の予想ほど得票が伸びず、民主主義の堅持と人工妊娠中絶の権利を訴えた民主党が善戦したと言える。バイデン米大統領は会見で、民主党が失った議席を最小限にとどめたことを強調。選挙後は共和党との協力も探りつつ、大統領拒否権の行使も視野に政権運営するとみられる。

選挙戦の争点は歴史的なインフレや中絶の権利、移民問題などだった。大企業への課税強化で格差を是正したい民主党に対し、共和党は減税を要求。人工妊娠中絶の禁止を容認する共和党に対し、民主党は中絶の権利を主張した。共和党が犯罪の温床と見なす移民政策では、民主党は深刻な人手不足の緩和策として寛容な姿勢を示していた。共和党の主張は、懸案であるインフレの抑制と人手不足の解消に逆行するように映る。

バイデン政権は大企業への課税強化や薬価引き下げなどを盛り込んだ歳出・歳入法(インフレ抑制法)を8月に成立させた。だが予算の先議権を持つ下院で共和党が修正を迫ることが想定され、政権運営の先行きが懸念される。ウクライナ情勢や対東アジア戦略に影響が及ばないよう、与野党は内向きの議論を最小限にとどめてもらいたい。

バイデン大統領、トランプ前大統領とも2024年大統領選への出馬を示唆する。ただ共和党内でさえ、米国社会の分断を助長するトランプ氏に懸念を示す議員が少なくない。中間選挙での民主党の善戦は、有権者が民主主義の堅持を求め、自国第一主義への過度な傾斜に警鐘を鳴らしたものと受け止めたい。

(2022/11/11 05:00)

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