(2023/10/26 12:00)
国内外から見学者がテルミック(愛知県刈谷市、田中秀範社長)にひっきりなしに訪れる。2023年度は1500社以上が訪れる見込み。筧光能取締役は「工場を実際に見てもらい、当社のモノづくりや思いを理解してもらえる」と話す。取引実績がない企業でも工場見学に訪れると90%以上が契約に至る。体感を重視している同社は、オンライン商談にいち早く取り組んだ切削加工メーカーだ。
「営業は基本的に内勤のみ。それを打ち出しているので、お客さまにもご理解いただいている」(筧取締役)。同社の営業は約70人。全員が2台以上のディスプレーを前にイヤホンをつけて接客。「外勤経験がない社員が半分以上いる」(同)。
入社時の研修もオンラインで行う。社会人になる前は会員制交流サイト(SNS)で友人らとコミュニケーションしていた若手社員にとって、オンラインによる営業活動は特別なことではない。かつてルートセールスで顧客を回り、実績を積んできた筧取締役は、社会環境の変化が影響しているとみる。「顧客は常に効率を追求している。移動に時間をかけず、タイムリーなオンライン営業はニーズでもある」(同)。
オンライン営業にかじを切ったのが2013年ごろで、当初は効率的に仕事するために始めた。それがコロナ禍で顧客に会いに行きたくとも「来ないでくれ」と言われる状態に。同社にとって「コロナ禍が間違いなく追い風になった」(同)。
内勤営業スタッフは新規の加工注文が入ると、現場経験が少ない若手社員でも過去のデータベースから類似の加工実績を取り出し、切削方法や工数を確認し、顧客に提案する。顧客とのやりとりは全てメールか電話、ファクスだ。営業効率は23年度だけでも前年度比20%増を達成する。
業界でいち早くオンライン営業に着手した同社だが今後は普通の手法になる。「まずはインスタグラムなどのSNSを駆使して接点を増やす。そして工場見学に結びつける」(同)。オンライン、オフラインを巧みに使い分け新たな営業スタイルを模索する。
(2023/10/26 12:00)
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