人材育成で“現場対応力”継承 日本乾溜工業、体系表で長期的な能力開発促す

(2023/10/31 12:00)

日本乾溜工業は公共工事を中心とする交通安全施設、のり面、景観などの工事のほか、関連資材の販売など建設に関する事業を主力とする。最近は業界全体で進む建設現場の生産性向上の取り組み「i―コンストラクション」に対応したデジタル変革(DX)とともに、人材への投資を加速している。基本給のベースアップや完全週休2日制も実現。人事制度の改定に合わせ、教育・研修体系の整備が進む。

  • 社内での講義

人材への投資の加速には「会社は社員がいてこそ」(中島裕慈執行役員総務人事部長)との考えが根底にある。会社の持続的成長を支える経営基盤を構築する目的としても人材を重視してきた。

人事制度では目標管理に基づく評価制度を導入した。組織貢献と自己成長を達成するため、社員一人一人の目標を経営目標や部門目標と関係づける。成果を出した社員だけでなく、自身の目標達成を目指して積極的に努力した社員も評価して賞与に連動。エンゲージメント(結びつき)の向上を図る。

人材育成を制度化して組織的に強化するため2022年8月に「人材育成室」を設置。教育・研修の充実に乗り出した。専任者2人を置き、社員の学びを後押しする。大きなテーマが、会社の強みとする「現場対応力」をどのように継承していくかだ。ベテラン社員の知識や技術を会社全体の財産として共有することを目指す。

従来の社員教育はオン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)を基本とし、多くの部分を現場に任せてきた。ただ「令和の新入社員には通じない部分もある」(同)との認識を踏まえ、教育や研修の制度整備を進める。技術の習熟度に応じたフォローにも配慮する。現在は外部講師が多いが、将来は従業員による社内講師を増やしたい考えだ。

4月には研修や資格についてまとめた冊子「能力開発サポートガイドブック」を製作した。「体系立てて目に見える形にするため」(同)で一覧性が高い。役職や職種に合わせて必要な研修や資格だけでなく、スキルアップに適した研修や資格も一目で分かる。入社後20年間を想定した「能力開発体系表」は長期的視点で取り組むための指針となる。

  • ドローン操縦士の育成に力を入れている

資格取得では受験料や受講料、登録料などで費用の会社負担がある。資格取得者への手当も用意する。

生産性向上に向けたRPA(ソフトウエアロボットによる業務自動化)導入などデジタル化を進める分野でも人材育成の需要性は高く、教育コンテンツのデジタルアーカイブ(保存記録)化に取り組む。情報通信技術(ICT)を生かしたi―コンストラクションでは、スマートフォンやタブレット端末などデジタル機器の活用を進める。測量での飛行ロボット(ドローン)利用も広げており、ドローン操縦士の育成に力を入れる。

そのほか、工事現場での着替えなど多目的に使えるスペースを備えた車両の導入を予定するなど職場環境の改善も同時進行する。

(2023/10/31 12:00)

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