ミツワ精機、賃加工から転換 省力化装置を自社設計

(2023/12/4 12:00)

  • 社内にロボットの展示スペースを設け、顧客への提案を強化している

ミツワ精機(栃木県鹿沼市、吉田純二社長)は、1989年ごろに賃加工業から自動化・省力化装置の設計、製造業にかじを切り、ノウハウを積み上げてきた。医療機器や電気、電子、一般産業向けをメーンとし、現在は垂直多関節ロボットを使ったシステムインテグレーター(SIer)事業にも幅を広げる。自社設計の自動化装置で人手不足にあえぐ製造業を支援する。

金属加工、樹脂加工の技術を駆使し、注射針関連業務などを手がけてきた。設計・製造業への転換は、会社の後継として入社した吉田社長がけん引。吉田社長は「設計から手がけることで付加価値の向上を図った」と振り返る。

まず既製品をまねることから、独学で技術を高めていった。現在は従業員7人のうち吉田社長を含む3人が図面の作成を行う。事業を続ける中で、注射針に絶縁皮膜をコーティングする「静電塗装装置」など独自の自動化装置も開発した。

開発した装置のうち、吉田社長が「最もリピートが多く顧客への貢献を実感した」と話すのが、手動の部分を残した「半自動注射針研削装置」。完全に自動で注射針を研削加工する装置も開発したが、大手メーカーの既製品と比べて大きな付加価値を打ち出すのは難しい。半自動装置は製品の試作から量産まで一つの装置で行う場合に使い勝手が良く、中堅・中小規模のサプライヤー企業などに好評という。

2015年にはロボットのSIer事業を開始し、自動化・省力化ノウハウの幅を広げた。ロボットを組み合わせた自動化・省力化装置の設計から製造、テスト、納入までを手がける。社内にロボットの展示スペースを設け、顧客への提案を強化している。

製造業全体が人手不足の中、業務の自動化・省力化は今後さらに重要性を増す。吉田社長は「顧客の作業効率と品質向上の課題に対し、やれること、やらなければいけないことを実行する」と展望を語る。

(2023/12/4 12:00)

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