社説/2024年の覚悟(上)世界は緊迫、日本は転機の年に

(2024/1/1 05:00)

「緊迫の1年」となる。欧州と中東の二つの“戦争”は越年し、13日には台湾総統選、11月に米大統領選を控える。米台の選挙次第で米中対立の先鋭化や米国のウクライナ支援縮小を招きかねない。日本は「転機の1年」となろう。深刻な政治不信を拭い、大命題のデフレ脱却を実現することで、新たな成長軌道を描く転機の年としたい。

台湾総統選は「一つの中国」を認めない与党・民進党と、対中融和路線を強調する野党2党の3候補の争い。台湾独立志向が強いとされる民進党候補が勝利すれば、中国は対台湾外交で「対話」より「圧力」を選択する。習近平国家主席は2023年末の講演で、台湾統一を「必ず実現する」と語った。東アジア情勢の緊迫化が懸念される。

二つの“戦争”をめぐる米国の影響力低下が心配だ。米国は同盟国・イスラエルの過剰防衛を抑止できず、共和党の反対でウクライナへの追加支援の予算措置も講じられない。欧州連合(EU)によるウクライナ支援も、ロシアの影響でハンガリーが反対し、合意できず越年した。米欧は支援疲れに陥ることなく、国際秩序の再構築に向けて結束を新たにしてほしい。

「もしトラ」。もしトランプ氏が米大統領に再選されたら、の意味で使われる。そうなれば共和党が縮小を求めるウクライナ支援が先細る。トランプ氏は大統領在任中にエルサレムをイスラエルの首都と一方的に承認した経緯があり、中東情勢が一段と悪化しないか懸念される。

他方、日本は実効性のある政治資金規正法に改正し、政治の信頼を取り戻した上で「デフレ脱却宣言」を発出してほしい。供給過剰となったバブル経済の崩壊で需給ギャップはマイナスに転じ、90年代半ばにデフレに陥った。政府経済見通しによると24年度は所得増加率が物価上昇率を上回り、実質賃金がプラスに転じると期待される。24年春闘での意欲的な賃上げはもとより、産業界は企業価値向上に資する成長投資を継続し、持続的な賃上げを実現することが求められる。24年は日本経済の景色を変える起点の年としたい。

(2024/1/1 05:00)

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