社説/大阪・関西万博まで1年 会場整備と機運醸成を急ぎたい

(2024/4/16 05:00)

大阪・関西万博の開幕が1年後に迫る。世界の最先端技術が結集する万博はイノベーションの創出や国内外の投資拡大、中小企業の活性化を促す機会になると期待したい。経済効果は総額2・9兆円を見込む。一方で海外パビリオンの建設の遅れや、全国的な関心の低さなど課題もある。開幕までに外装工事を終わらせ、万博の趣旨も幅広く訴求してその日を迎えたい。

大阪・関西万博は2025年4月13日から半年間、大阪市此花区の人工島「夢洲(ゆめしま)」で開かれる。日本での万博開催は6回目で、161カ国・地域が参加を表明。会期中に2820万人の来場者を想定する。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。最先端技術により「未来」を体感できるほか、コロナ禍後の初開催だけに「いのち」の重要性を訴求するという。

13の国内パビリオンでは、ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)で作った動く人工心臓、触覚やにおいを遠隔地に伝える通信技術、大気中から回収した二酸化炭素(CO2)からメタンを合成する実証実験も行う。人間とアンドロイドが一緒に働く未来社会も体験できる。377社の中小企業・スタートアップは脱炭素や健康をテーマに自社技術を発進する予定で、商機の拡大につながると期待したい。

万博会場では、空飛ぶクルマによる世界初の商用飛行を目指すほか、自動運転バスの走行、水素燃料電池船による旅客運航も予定される。多言語翻訳システムにより、海外からの来場者とも多様な価値観の交流が可能という。「参加型」万博を目指しており、こうした魅力を幅広く情報発信してもらいたい。

世界最大級の木造建築・大屋根リングは約8割が完成し、国内パビリオンの建設も進む。ただ資材と人件費高騰を背景に海外パビリオンの建設が遅れ、当初1250億円だった会場建設費も最大2350億円に増額された。計画する1400万枚の前売り入場券の販売も130万枚(10日時点)にとどまる。会場整備と機運醸成を急ぐ必要がある。困難な課題だが、開幕に向けた歩みを着実に進めたい。

(2024/4/16 05:00)

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