インタビュー/住友生命保険エグゼクティブ・フェローの岸和良氏 独学でITの専門家に、「体感が一番の学び」

(2024/6/11 12:00)

住友生命保険は、高度専門人材に執行役員同等の権限を与える「エグゼクティブ・フェロー」制度を設けている。現在は2人のフェローがおり、その内の1人、ITの専門家である岸和良氏に話を聞いた。

  • 人に教えることで知識が定着する…と岸氏

―新入社員時代はどのように過ごしていましたか。

「1990年に入社してシステム部に配属された。当時は米IBMの汎用コンピューターの時代。すべては手順通りに操作することが大事で、手順を知っている先輩らに頭が上がらず、毎日怒られていた。だが『ウィンドウズ95』が出て、パソコンが普及し始めると、形勢が逆転した。私たち若者はいち早くパソコンを自腹で購入し、業務に使って生産性を上げる一方、先輩らは傍観していた。気付いたら先輩に仕事の助言をするようになっていた。私は『民主化』が起きたとうれしかった」

―それからどのようにITスキルを磨きましたか。

「独学で資格試験を受け続けた。第一種情報処理技術者試験(現応用情報技術者試験)やプロジェクトマネージャ試験などに合格した。そのうち人に教えられる水準になり、00年にインターネットが出てきた頃に、ボランティアで資格試験の情報サイトを開設した。どのような記事を書けばアクセス数が伸びるか研究し、頻繁に情報を更新したら、200人規模のコミュニティーができた」

「その後、当社の主力商品である健康増進型保険のスマホアプリにポイント割引制度を導入する際、コミュニティーでポイントに詳しい人がいて助けてもらった。今でも資格サイトの人脈が公私ともに生かされている」

―後進をどう育てていますか。

「若手にデジタル変革(DX)の研修を実施した後、今度は逆に若手に講師役になってもらい社内外の人に教える機会を提供する。人に教えることで、知識が格段に定着する。また私自身、今は情報発信プラットフォーム『note』で記事を書き、フェイスブックやX(旧ツイッター)などさまざまなツールを試してきた。自分自身でトライ&エラーを繰り返し、体感するのが一番の学びになる。若手にも好奇心を持って、何でも試してみるよう勧めている」

(2024/6/11 12:00)

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