産業春秋／ウクライナの桜

３月２７日は「さくらの日」。公益財団法人・日本さくらの会が制定した記念日だ。３×９（さくら）＝２７という語呂合わせであると同時に、開花時期とも重なるため、この日に決めたらしい。

米国の桜。１９１２年に東京市（当時）市長から首都ワシントンに３０００本超の桜が贈られ、ポトマック河畔に植樹された。１週間ほど前に満開を迎え、４月１４日まで開かれる「全米桜祭り」には１５０万人が訪れるという。日米の平和と親善の象徴である桜が多くの目を楽しませる。

中国とロシアの桜。中国武漢市の武漢大学内の桜は、日中戦争で侵略した日本軍が植樹し、無錫市の桜は日中友好のため元日本兵が植えたのが始まりとされる。ロシアの首都モスクワ市と友好都市関係にある東京都も同市に桜を贈っている。

ウクライナの桜。首都キーウ市と京都市は７１年に姉妹都市となり、８２年にキーウ市に「京都公園」が開園している。この公園で桜が見頃を迎えるのは４月中旬以降だろうか。

ロシアのプーチン大統領は、モスクワのテロをウクライナと関連付けようと国内世論を扇動。部隊を補充した上で、ロシア軍が今夏に攻勢を強めるとの指摘もある。「ウクライナの春」は遠い。