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[ 科学技術・大学 ]
(2018/2/11 08:00)
7300年前の巨大噴火で形成、水中ロボ調査
約7300年前に巨大噴火を起こした鹿児島県・薩摩半島沖の「鬼界カルデラ」で、噴火後に海底に巨大な溶岩ドームが形成され現在も活発に活動していることが分かったと、神戸大海洋底探査センターなどが発表した。論文は9日、英科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版に掲載された。
センター長の巽好幸教授は「カルデラの地下に大量のマグマが存在し、次の巨大噴火の準備過程に入っている可能性がある」と話している。
溶岩ドームは直径約10キロメートル、高さ約600メートル。噴火した場合、マグマの量は少なくとも32立方キロメートルと推定され、溶岩ドームでは世界最大級という。
センターは2016年から水中ロボットなどを使った調査を3回実施。溶岩ドームが水中で形成される場合に特有の割れ目などを確認した。ドームの表面から採取した岩石の特性が、巨大噴火以降にできた薩摩硫黄島などの溶岩と同じことも判明。人工地震で地震波の伝わり方を分析した結果、ドームがカルデラを底から押し上げながら成長した構造も分かった。
巽教授は「マグマを高解像度で可視化して監視し、噴火予測につなげたい」と話している。(時事)
(2018/2/11 08:00)