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防災意識を高めて ゲリラ豪雨への備え

(2019/7/1 05:00)

業界展望台

  • 瀬野川㊨の増水で崩落した国道2号線㊧広島市安芸区中野東で(2018年7月9日撮影)

ゲリラ豪雨と呼ばれる局地的大雨や集中豪雨が近年相次ぐ。突発的な大雨は浸水害、河川の氾濫、土砂災害といった重大な災害を引き起こし、人命を脅かす。産業界では生産拠点や道路の被災により、企業活動が停滞するケースが見られる。災害から身を守るには災害時に発表される情報を正しく理解することや地域の災害リスクを事前に把握することが重要だ。浸水防止用設備を設置することで被害を防止、軽減することもできる。

大雨警戒レベル設定 昨年豪雨踏まえ避難対策

「平成30年7月豪雨」は2018年6月28日から7月8日にかけて、西日本を中心に甚大な被害をもたらした。死傷者は600人を超え、避難対策の強化が課題となった。これを踏まえ、内閣府は「避難勧告等に関するガイドライン」を改定した。防災情報の新たな指標として5段階の「警戒レベル」が設けられ、先月末に運用が開始された。

警戒レベル1~2は気象庁が発表する防災気象情報、警戒レベル3~5は市町村が発令する避難情報に付記して伝えられる。最も高い警戒レベル5は災害発生情報に相当し、既に災害が発生している状況を示す。居住者は前段階である警戒レベル3と4が発令された段階で避難する必要がある。

警戒レベル3は避難準備・高齢者等避難開始に相当し、避難に時間を要する高齢者などが立ち退き避難を開始するべきタイミングだ。それ以外の居住者も避難準備、さらには自発的な避難が推奨される。

警戒レベル4は避難勧告と避難指示(緊急)に相当し、居住者全員に避難を呼びかける際に用いられる。指定緊急避難場所への立ち退き避難が求められるが移動が危険と判断される場合は建物内や近隣の安全な場所で身を守ることが望ましい。

都市型水害のリスク軽減

  • 瀬野川㊧の増水により、崩落し不通になった国道2号線。広島市安芸区中野東で。(2018年7月9日撮影)

市街化の進んだ地域では都市特有の都市型水害のリスクがある。アスファルトなどで地表が覆われていることで雨水が地中に浸透しづらく、下水管や排水路の処理能力を超えた雨水が河川へ排出されずに逆流する内水氾濫が度々発生している。加えて都市部では地下街やアンダーパスといった雨水が流れ込みやすい場所も多く、人が地下空間内に閉じ込められたり、車が水没したりする事例もある。

地下空間をはじめ、建物の浸水被害を軽減するには浸水防止用設備の設置が有効だ。(1)シートや脱着式止水板などの持ち運びタイプ(2)壁や床に収納する止水板などの据え付けタイプ(3)シャッター、防水扉などの建具タイプ―といった種類があり、設置可能な場所や性能、使用方法などを考慮した製品を選びたい。災害時に想定される浸水深を調べることで、必要な高さの対策を講じられる。

浸水リスクは各市区町村が公開するハザードマップで調べることができる。東京23区ではさらに高精度な都市浸水予測システムが今月末めどに、文部科学省のDIAS(データ統合・解析システム)にて試行運用される予定だ。同システムは早稲田大学、東京大学とリモート・センシング技術センターの研究グループにより開発された。

早大の関根正人教授が開発した都市浸水の予測手法「S―uiPS(スイプス)」に基づき、東京23区内の道路や下水道、都市河川、河川の付帯施設(貯水施設など)、建物の建ぺい率などの情報も考慮に入れて雨水の流れを計算する。予測は1分ごとの観測雨量データと気象庁の降雨予報データを入力して行う。これにより30分先までの降雨予報を入力値としたリアルタイム浸水予測を目指す。

同システムにより、設備利用タイミングの判断や避難経路の選択が容易になる。事前の備えと当日の情報収集を念頭に予期せぬ災害に備えたい。

(2019/7/1 05:00)

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